※ここでは、旧ブログなどで発表した読み物系作品を公開してます。

★「自称エンタメ系ライター」的お仕事

(2016.3.22記)

2008年にTechinsight Japanで3ヵ月のあいだ執筆していた、エンタメ系(笑いに関する記事が中心)記事です。合計25本。

現在同サイトでは見出しと冒頭の一節だけしか掲載してませんが、配信先のライブドアニュースでは全文読めますんで、そちらをリンクしました。

(なお公開時に修正されたタイトルは、オリジナル表記に戻してます)
 × × ×

 

(1)東京ダイナマイト「オフィス北野」退社の真相(2008/9/12)

 

(2)「ハガキ職人」出身者を芸能界でさがしてみれば…(2008/9/12)

 

(3)大誤算?「落語ブーム」に呑まれたミムラ主演映画『落語娘』(2008/9/12)

 

(4)『キングオブコント』を10倍「通」ぶって見るためのガイド(2008/9/12)

 

(5)16年半の歴史に終止符…テレ東『TVチャンピオン』が生んだもの(2008/9/16)

 

(6)友近、ナンチャン、たけし……「落語芸能人」の系譜とその仕掛け人(2008/9/18)

 

(7)25年ぶり復活!アゴ&キンゾー(2008/9/22)

 

(8)企画物ユニット『悲愴感』予想外ヒットの理由は…(2008/9/25)

 

(9)勝ち組はどれだ!? 秋の「笑えるソング」合戦(2008/9/29)

 

(10)さんまの師匠“天然記念物”笑福亭松之助のアナーキーな芸歴(2008/10/3)

 

(11)バッファロー吾郎×バナナマン×「福の神」のフシギな三角関係(2008/10/6)

 

(12)『アキレスと亀』は誰を批判する映画か?(2008/10/9)

 

(13)“新生”テツandトモ「結成10周年記念CD」の強力布陣に注目!(2008/10/14)

 

(14)アンドロイド美女と妻夫木聡の気になるCM(2008/10/14)

 

(15)世界のナベアツ、生放送の大失態と“新ギャグ”?(2008/10/16)

 

(16)伊集院光DVDに見る「固定客」の確実さ(2008/10/20)

 

(17)天下無敵のノベルティ!『WE LOVE ヘキサゴン』をマルチアングルで楽しむ(2008/10/22)

 

(18)“落語界のモモエ”は遅れてきた超異才(2008/10/27)

 

(19)レッドカーペットも登場! 日本初の“コメディ映画祭”の勝算は?(2008/11/4)

 

(20)「投票行くべ!」U字工事が栃木知事選の“顔”(2008/11/5)

 

(21)品川祐、初の“出待ちゼロ”体験で嘆き節(2008/11/6)

 

(22)「ストーカーの意味調べた」月亭可朝の復帰高座に大喝采(2008/11/18)

 

(23)日本発コメディ『ハンサム★スーツ』海外進出の期待と不安(2008/11/19)

 

(24)デーモン小暮閣下を激怒させた映画祭の不手際(2008/11/27)

 

(25)立川談志「カリスマ時代」のDVDがついに発売!(2008/11/28)

 

 × × ×

今も時々、Wikipediaやまとめサイトなんかに引用されてたりして、「わっ」と思いますね。
ここ数年、TVやラジオからただ番組内容を文字に起こして感想ちょっとだけ書くみたいなネットニュースがやたら多いですが、時期的にはそのハシリになるのかも(汗)。
もっともアレですよ、読んでいただければ一目瞭然ですけどね、私のはネットの「早さ」の利点に頼っただけの記事じゃなくて、ちゃんと読物として独立してて、内容でアクセス数を取る努力をした内容にしてた自負はありますけどね。
あ、傍目からは大差無いですか。こりゃまた失礼しましたー。

★ショートショート 『バチが当たる』

(2016.1.8記)

昨年、8年ぶりに『ショートストーリーなごや2015』に投稿してハシにもボーにもかからなかった、名古屋が舞台のショートショートを公開します。
タイトルは『バチが当たる』。

 

 ~ ~ ~

 

 

「ほれみやー、また赤信号なのに走っとったー」

 

 日陰が長くなった団地の横の小さな公園で、目の前の大須通を激しく行き交う自動車を眺めながら、孫の勇樹が横の祖父に訴えた。

 

「あのね、ぼくね、小学校で習ったもん。信号は黄色になったら、注意だでね。止まらなかんもん。

 でも、今のクルマも、さっきのクルマも、あとその前のトラックもね、黄色でも止まらんかったてー」

「うーん……だなぁ」

 

 祖父(といっても還暦を過ぎたばかりだが)の隆は困った表情で、少ないボキャブラリーで必死に見た様を訴え続ける孫に対し、生返事を繰り返すばかり。

 

「あのね、さっきのその前のおっきいクルマなんか、赤信号なのに、バーッ!て走っとったにー。止まらなかんのにねー。あかんて、ねー」

「……あかん、なぁ」

 

 生粋の名古屋っ子である隆の影響で、今時の子供としては珍しくネイティヴな名古屋弁をしゃべるおじいちゃん子の勇樹は、日陰の中に入った公園のベンチに座って、飽きずに前の大通りを眺め続けた。

 

 夏の終わり、名古屋特有の蒸し暑さは峠を過ぎたとはいえ日差しはきつく、それでもたまに団地に吹き込む風は僅かながらの清涼感を誘い込む。それとは対照的に、大通りのアスファルトの道路沿いは油臭い熱気がムンムンと漂い、物理的にだけでなく精神的にも、近寄り難い危険を感じる。時折、無謀な自動車やバイクがけたたましく鳴らしてゆく爆音が、周辺の歩行者の不安を余計にかき立てる。

 

 

 

 しゃべり疲れて小休止する、ベンチの勇樹。

 そのちょっとした気持ちの隙を見計ったように、信号待ちから発進するスーパーカーの「ヴォン!」と響くエンジン音。

「うーるーさぁーいー!」勇樹が小さな手で自分の耳を塞いで叫び、しかめっ面で祖父の顔を窺った。自分の可愛い孫の歪んだ表情を見て、隆は悲しい気持ちになった。

 

「おじいちゃん、あのね」

「ん?」

「なんでみんな信号守らんの? あかんよね?」

 

 孫の問いかけに、隆はしばらく言葉を失う。そして一瞬、自分の若い頃の姿を思った。

 十八歳で免許を取って以来四十有余年。大のクルマ好きで、若い頃は名古屋の内外、あらゆる市道や県道を飛ばしまくった。切符を切られた経験も片手では数えきれないほどある。そんな自分にとって、孫のまっすぐな視線はひたすら辛い。若い頃の自分が責められているような気持ちにすらなる。

 

 孫の問いかけに思わず反射的に眉をひそめてしまったものの、日差しが眩しいふりをして、隆は掌で顔をぬぐう。そのあと、孫の気持ちをなだめたいという率直な思いから、思わず自分の本心の中には無い言葉を口にした。

 

「ああいうあかん奴はな、いっつか絶対バチが当たるわ」

「バチ?」

「バチだわ、バチ。勇樹知らんか?

 世の中で悪いことをすると、天国の神様が見とって……いや、地獄の閻魔様だったか? まぁええわ、神様の方がエエモンっぽいで神様でいっとくか。神様が見とってな、その人にバチを当てるだわ」

「えぇー? 何それ? 悪いことするとバチ当たる?」

 

 勇樹が祖父の顔を覗き込んできた。

 

「バチって、罰ゲーム? おじいちゃん、それって何されるだ知っとる?」

 

 愛する孫の興味の的が通りの信号からバチの話に移り、ちょっとだけホッとした隆は、そこから得意満面の笑顔でまくしたてた。

 

「知っとるに決まっとるだろぉー。当たり前だぎゃぁー。

 世の中、悪い奴がようけおるがや。そういう奴は、ホンマはみんなあの世に行ってから、神様にえりゃー思いをさせられる罰が待っとるんだけどな。あんまり悪い奴がようけおり過ぎるで、現世……この世だな、生きとる間に、ちょっとだけ罰を受けるわけだわ。

 早い話が、弟の興起が先途、トイレを流さんで出てきて、お母さんに叱られとったろ? あのすぐあと、部屋のドアにぶつかって、コブ作って泣いとったがや?」

「うん」

「あれ、トイレを流さんかったバチが当たったんだて」

「えぇー。あれ、バチ?」

「そりゃそうだろぉー。バチに決まっとるぎゃぁー。

 二つ隣りの武内さん所の息子、いま足を骨折してギプス巻いとるだろ? あれは先途、駐輪場で空き缶をポイ捨てしとったで、そのバチが当たったんだわ」

「へぇぇー。バチ当たるんだー」

「そりゃーそうだてー。バチはみんな当たるんだてー。

 ニュースとかで、何か盗んだり、人を殺したり、大勢の人たちを困らせたり、悪い奴があっちこっちおるがや。ああいうのは、みんなそのあとバチが当たって、絶対痛い目を見とるに決まっとるんだてー」

「ふーん」

 

 うなずいて再び大通りの自動車の流れに目をやる孫を見て、隆は内心「よし、説得しきった」と安堵の溜息をついた。

 

「おじいちゃん」

「ん?」

「ウソはバチ当たらん?」

 

 風の向きが変わり、大通りの熱風が日陰のベンチに流れ込んできた、ように感じた。

 

「う、ウソは、いやウソも、そうだな、あ、あかんなー」

「あのね、ぼくね、おじいちゃんに買ってもらったクルマのおもちゃ、『壊してまった』って言ったが?」

「ん? ああ、言っとったなぁ」

「あれね、『先週壊した』って言っとったけど、ホントはね、買ってもらったその日に壊してまっとったの」

 

 勇樹は顔を上げて、幼児なりに、何か覚悟を決めた表情を祖父にしてみせた。

 

「バチ、当たるかしゃん?」

 

 孫の思わぬカミングアウトに意表を突かれた隆は、事のレベルとは不釣り合いなほどドギマギして、なんとか必死に声を絞り出した。

 

「ああ、ああ、ええ、ええんと違うか? いい、いま話したんなら。わからんで、わからんけどな。神様はどう思うかわからんけど。おじいちゃんは、ええと思うわ」

「ええかな? よかった」

 

 気がつくと、公園のベンチを覆う日陰は倍の長さになり、空はほんの少し茜色になりつつある。遠くでチャイムの音が響く。

 

「勇樹ー、勇樹ー」

 

 大通りの反対側の歩行者信号の下に、自転車を降りて信号待ちをする母の姿。騒音に紛れて、我が子を呼ぶ声がかすかに聞こえてきた。

 

「勇樹ー、お父さん帰っとるー?」

「おっ。勇樹、お母さん帰って来とるがや。もうこんな時間だで」

 

 母の姿を見るなり横断歩道に駆け寄る孫に、まるで日常茶飯事の決まり文句のように、ベンチからゆったりした口調で「おーい、危ないで信号よく見やぁーてー」と促す隆。それを尻目に、信号が変わるのをそわそわと待つ勇樹。

 その直後に祖父が見たのは、歩行者信号が赤から青に変わって駆け出す孫と、車道信号が黄色から赤に変わったのに突っ込んでくる自家用車だった。

 

 

「おじいちゃん、あのね、ぼくね……」

「勇樹、無理にしゃべらんでええて……なんだ?」

 

 団地に程近い同区内の救急病院の一室。病室の窓際のベッドの上で、応急措置を終えたばかりの入院着の勇樹が、枕元の横にいる祖父に小声で話しかけてきた。

 

「バチだよね」

「え?」

「これって、ぼくがウソをついたバチだよね? それか、クルマのおもちゃを壊したバチか、どっちかしゃん?」

 

 体の痛みに耐えながら弱々しく問いかける孫に、隆は込み上げてくる感情を必死に抑えつつ、それでも鼻声でそっと答えた。

 

「たァけ、あれせん……バチなんかあれせんわ……」

「バチ……当たる?」

「だからバチなんてあれせんって…!」

「ううん。赤信号なのにぼくをはねた、クルマの人……バチ、当たる?」

「あ、ああ……」

 

 隆は病室の扉に視線をやり、そのまま絶句した。

 

 外の廊下の長椅子では、勇樹の母と並んで警官の取り調べに応じるクルマの運転手、勇樹の父が顔面蒼白でうなだれている。

 

「バチかなぁ……」と隆は思った。

 

 

   (了)

 

 

★新春らくご歌留多・別ver.

(2014.1.5記)

3年前の元日の拙ブログで「新春らくご歌留多」を公開しまして、それをもとに一昨年「寄席描き展」の出展作品をこさえたわけですが、さっき過去のファイル倉庫を見てたら、歌留多の別バージョンなんてのが出てきまして。

拙サイト「落語別館」の旧日記時代、2004年1月18日公開。このタイミングで見つけたのも何かのご縁かと思い、10年ぶりに再公開しておきます。
3年前のとネタかぶりがあったので、一部作り直しました。

 

 ~ ~ ~

 

 (い)一分金 もらって茶番を 頼まれた

 (ろ)老人が 小手をかざして つるを見る

 (は)花見酒 互いに呑みあい 無駄はねえ

 (に)錦地の袈裟は チン輪のご利益か

 (ほ)棒鱈め 唄うな喚くな 暴れるな

 (へ)平家武士 踊ったばかりに 没落す

 (と)富久は 初春(はる)方々に おはらいし

 (ち)千早ふり 神代もきかずで 豆腐屋に

 (り)悋気して 独楽も傾く 鬼女房

 (ぬ)盗まれた 花色木綿の 日本刀

 (る)留守宅と思い 損する夏の泥

 (を)大山を 詣って仕入れた ホラ話

 (わ)若い衆が よってたかって 何かする

 (か)駕籠かきは かついだままで イビキかき

 (よ)夜店にて 秘伝書を売る 詐欺商い

 (た)たいこ持ち 鍼を打たれて ハリきれず

 (れ)歴史にも 大師の謎は 表れぬ

 (そ)粗忽使者 尻をひねって 思い出し

 (つ)壺算用 あせる番頭 笑う客

 (ね)寝床芸 今宵も聞こえる 断末魔

 (な)夏の医者 夏のチシャほど 腹にくる

 (ら)ライオンと 虎のなれあう 動物園

 (む)無学者は 論と理屈じゃ 負け知らず

 (う)うどん屋と 目が目が合った 屋台越し

 (ゐ)「今川焼」 眠る看板 店の奥

 (の)飲める飲めると 喜ぶ奴は つまらねぇ

 (お)お化け出る 長屋へ承知で 来る男

 (く)くやみ下手 すぐにのろけが 顔を出し

 (や)やかんなめ 禿げた頭が 合い薬

 (ま)豆屋から 怖い男が 睨み得

 (け)袈裟御前 斬った刀に ごはん粒

 (ふ)ふぐ鍋を前に おびえる奥座敷

 (こ)権兵衛と 狸の声の ひびく夜

 (え)永代の 橋に上がった オレの連れ

 (て)てんしきを 騙る小僧の 意趣返し

 (あ)あたまから 花咲き乱れ 気も乱れ

 (さ)猿後家が 猿の顔して 怒りなサル

 (き)紀州公 任官受けて 遠慮なし

 (ゆ)雪の朝 ニ ニ ニ ニ ニ ニ ニ  ニ ニ ニ ニ ニ

 (め)名人の手本は 左甚五郎

 (み)味噌豆を はばかりで食う うまくささ

 (し)洒落小町 穴っ入りは 悪い洒落

 (ゑ)易を見て お神酒徳利を 探すふり

 (ひ)ひらばやし いちはちじゅうの もっくもく

 (も)元は犬 ただシロと居る 楽隠居

 (せ)疝気呼ぶ 虫が逃げ出す あのあたり

 (す)角力場や どこかでジョロリ ジョンジョロリ

 (京)京都では はてなの茶碗で 大儲け

 

 ~ ~ ~

 

あ、こっちは歌留多にはしませんよ(汗)。
それにしてもどんだけ歌留多好きだったんだ、過去の私。

綴方狂室(引っ越し業者編)

(2013.3.21記)

以前よそでなぞかけを更新していた頃、はずみで「綴方狂室」風の織り込み詩ができたので載っけます。
テーマは「引っ越し業者」。「綴方狂室」の説明は、読めば判るので略。


 ~ ~ ~


 春は引っ越しシーズンです

 ヤマト積まれた段ボールには

 わがファミリーの思い出を

 ダックさん詰めて運びます

 

 腕に抱いたわが赤ぼう

 育つ姿をカンガルー

 おまえがサカイに出たその日には

 親の気持ちが わカルガモ

 

 ハト場の別れじゃないけれど

 いつかは巣立ちのドアがアーク

 福やまつう運 恵まれますよう

 その日を笑顔で まつもっと

 思い出たくさんアリさんながら

 大概にっつうことにして

 ハート片付け掃除をすませ

 あとは近所にご挨拶…

 

 「どうも、大変おさがわせいたしました!」

 ~ ~ ~


追記。
2001年に古い日記でこんな更新してました。「綴方狂室」の元ネタ(四代目柳亭痴楽師の高座CD)の検証。よろしければ見てちょ。
http://www7.plala.or.jp/dagya/chiraku.html

フリー素材小咄

(2012.8.17)

2002年に「落語別館」を開設した時、新作落語脚本のページで、「フリー素材小咄」というコンテンツをやってました。要は、自作の小咄なんですがね。版権無関係、自由にお使いくださいっていう。
脚本ページを刷新した際にひっこめちゃっておりましたが、先日久しぶりにこの記事を読み返したら、オクラにしとくのがもったいなくなったので、改めて一部公開します。
もちろん今回も版権無関係。ご自由にお持ち帰りくださいまし。


 ~ ~ ~


★マラソン

都内の道路を使ってマラソンが行なわれると、
沿道には、主催の報道機関の小旗を持った人たちが
ズラリと並んで声援を送る。

おそろいの新聞社の旗をふっている人たちの中で、
一人だけ大きさの違う旗を振っている人がいる。

「あなた、旗が半分しかありませんね?」
「うち、夕刊とってないんで」


★決めゼリフ

マンガ『あしたのジョー』に憧れてプロボクサーになった男、
引退の時には、「真っ白に燃え尽きました」と言うつもりでいた。

好成績を残し、人気者になり、いよいよ引退の日。
記者会見の席についてひとこと、うっかり、
「真っ黒に燃え尽きました」
……焼き場じゃないって。


★選択肢
昔の酒好きは、どっちの酒屋で買うかを選ぶ時、
「あっちの店の方が、計りがいい」
てな選び方をしていた。

今はコンビニでも酒の類いは買えるので、
「あっちのバイトの子の方が可愛い」
てな選び方をする。

ビンボーな連中が酒を買う時は、
自販機と相場が決まっていて、選び方も、
「あっちの自販機の方が、つり銭の置き忘れが多い」


★酔っぱらい運転

路上、警察のネズミ捕りで。
「あなた、悪質だねぇ。酔っぱらい運転の上、制限スピード違反。
おまけになんで全裸で運転してるの?」
「すいません、酔うと脱ぎたくなるタチで」



★独演会の皿

飲み屋のテーブルで一人、意気軒昂にしゃべりまくる課長。
その部下たち、置かれた料理に箸もつけず、じーっと聞いている。

隣りのテーブルの客が見かねて、
「もしもし、黙って聞いてたら退屈でしょう?
せめて料理でもいただいてたらどうです?」
「いやぁ……どの皿も課長のツバキだらけで……」


 ~ ~ ~


リクエストがあれば新作書きますよ。でもそれ以前に「使ってます」ってリアクションがいっこも無いですよ。おほほ。

7年半ぶりの再結成

(2011.1.24記)


いとし「なんや、えらい久しぶりやな」


こいし
「兄貴のキミがこっちに来たのが7年半前やさかいね」


いとし
「ということは、えー、7年半ぶりか」


こいし
「いちいち言い直さんかてそうや。7年半ぶりや」


いとし
「キミ、ちょっと見んうちに老けたんと違うか」


こいし
「アホな……この歳になったらえろぉ変わらんやろ」


いとし
「いやいや、兄貴やさかい分かるんや。微妙に違うねん」


こいし
「そんなもんかな。
  まぁ言うても、僕は83まで生きて、キミは78でゴネてこっち来とるよってな」


いとし
「ゴネてとはどうや。もうちょっとましな言い様は無いか」


こいし
「なら、78でくたばって」


いとし
「余計あかんがな。
  こういう時は、『78で身罷って』とか『78で御崩御あそばされて』とか」


こいし
「ゴホウギョ? ゴボウみたいな顔して」


いとし
「ゴボウ? ほたら何か、僕は掘り起こされて八百屋に並ぶんか」


こいし
「並ぶかい! ホンマにおったら気色悪いわ。
  しかしこうして、久しぶりに二人揃ったわけやさかい、また漫才やりたいな」


いとし
「そやな。またやろか、秋田実先生に台本書いてもろて」


こいし
「香川登志緒先生もいてはるしな」


いとし
「どうせやったら、昔に戻って、溌剌としたしゃべくりがしてみたいな。
  僕ら、こっちではまだ若手やさかいね」


こいし
「確かに若手やわ」


いとし
「あの世演芸場、トップバッターや」


こいし
「演芸場てなもん、こっちにもあるんかいな」


いとし
「あらいでか。演芸場どころか、競馬場も、パチンコ屋も、皆あるで」


こいし
「えらいもんやな」


いとし
「無いのは寺と教会ぐらいのもんや」


こいし
「そら無いわ」


いとし
「あの世演芸場、トップバッターで舞台に上がるわ」


こいし
「ほぉ、上がった」


いとし
「客席からキャーキャー黄色い声が飛ぶわ」


こいし
「待て待て。こんな年とったモンが、キャーキャー言われるかい」


いとし
「さっき言うたやろ、こっちでは我々若手やねんで。
  客席見てみい。みんなこっち来て100年も200年もたってる人たちや。
  せやから我々若手を見て、キャーキャー」


こいし
「えらい客席やな」


いとし
「でな、この時にやる漫才の第一声が、じつはもう決まってんねん」


こいし
「ほぉ、我々があの世演芸場でやる漫才の第一声が?」


いとし
「『キミ、元気か?』」


こいし
「そんなアホな」



……喜味こいし先生の御冥福を心よりお祈りします。

なぞかけ自主トレ

(2010.3.10記)

よそで「1日1なぞかけ」をやってた頃のよりすぐり。一部『なぞかけQ』に使い回してます。

 

 ~ ~ ~

 

<2月8日>
 「新聞休刊日」とかけて、
 「アメリカ大統領選で僅差の末に民主党が勝利した」ととく。
 その心は、「きょうわ届かん」。

 

<2月9日>
 「プロ野球のキャンプ」とかけて、
 「片肌脱ぎつつ湿布薬をめくるお爺さん」ととく。
 その心は、「はるまえに備えます」。

 

<2月11日>
 「もうすぐオリンピック」とかけて、
 「話題の便器」ととく。
 その心は、「トウキで賑わいます」。

 

<2月14日>
 「上野動物園のパンダ」とかけて、
 「道楽で店をつぶした三代目」ととく。
 その心は、「初代はカンカンです」。

 

<2月15日>
 「春節」とかけて、
 「二場所通算18勝の大関」ととく。
 その心は、「きゅーしょーがツー」。

 

<2月17日>
 「カーリング」とかけて、
 「ますだおかだ岡田の真骨頂」ととく。
 その心は、「すべって点を稼ぎます」。

 

<2月18日>
 「花粉デビュー」とかけて、
 「かかあ天下宣言をした夫婦」ととく。
 その心は、「今年からやたらとテイシュを使います」。

 

<2月20日>
 「確定申告」とかけて、
 「顔色のすぐれない団体」ととく。
 その心は、「青色もあり白色もあり」。

 

<2月23日>
 「2並び記念切符」とかけて、
 「俺たちに」ととく。
 その心は、「明日はない」。

 

<2月25日>
 「フィギュア・ショートプログラムのキム・ヨナ」とかけて、
 「プロレスでフォールする時のテンション」ととく。
 その心は、「テンが高いです」。

 

<2月26日>
 「米リコール問題の豊田社長」とかけて、
 「消防艇」ととく。
 その心は、「海を渡って火消しをしてます」。

 

<2月28日>
 「東京マラソン」とかけて、
 「掛け算九九の九の段」ととく。
 その心は、「いろいろなクをかけてゆきます」。

 

<3月1日>
 「3月の気候」とかけて、
 「子犬3匹と成犬4匹」ととく。
 その心は、「3キャン4ウォーン」。

 

<3月2日>
 「大丸松坂屋」とかけて、
 「1+1=2」ととく。
 その心は、「トウゴウで結ばれました」。

 

<3月3日>
 「ひな人形」とかけて、
 「穴埋め就任なのに偉そうな指導者の訓示」ととく。
 その心は、「てっぺんからダイリが見下ろしています」。

 

<3月5日>
 「桜前線」とかけて、
 「山本高広」ととく。
 その心は、「最終的に、キターで花を咲かせます」。

 

<3月6日>
 「卒業式」とかけて、
 「ホウレンソウに胡麻をかける人」ととく。
 その心は、「手を振って、次にあえることを期待します」。

 

<3月7日>
 「Jリーグのカズ」とかけて、
 「カルピスの一気飲み」ととく。
 その心は、「やっぱりゲンエキで勝負します」。

 

<3月8日>
 「Jリーグのゴン中山」とかけて、
 「視聴率至上主義」ととく。
 その心は、「ひたすらカズを追いかけます」。

 

<3月9日>
 「アカデミー賞」とかけて、
 「最近のTVバラエティ」ととく。
 その心は、「オスカーが幅をきかせてます」。

 

★新春らくご歌留多

(2010.1.1記)

明けましておめでとーございます。

新春一発めは、ご挨拶代わりに、まだ『落語別館』の落語日記がブログでなかった2002年1月当時に作った「落語かるた」の新年度改訂バージョンですよ。

 

 ~ ~ ~

 

 (い)一年の初めは 親子で初天神

 (ろ)ろくろっ首 夫待ち待ち 長い首

 (は)花筏 偽大関の 晴れ姿

 (に)二十四孝 夜っぴて煽ぐ 団扇かな

 (ほ)堀の内 めざして亭主 浅草へ

 (へ)へっついから 出る幽霊は 足出さず

 (と)動物園 虎を務める 奴がなく

 (ち)ちりとてちん 長崎名物 味知れず

 (り)悋気する 火の玉たちの 花川戸

 (ぬ)盗っ人も 被害の嘘も 出来心

 (る)留守に来た 泥棒さんを 締め込んで

 (を)お代りの 銚子はさんで 差し向い

 (わ)わが子の名 寿限無寿限無…で 日が暮れる

 (か)火焔太鼓 三百金に 笑い泣き

 (よ)与太郎は 道具屋をやり 飴を売り

 (た)タヌキから 教えられたり 人の道

 (れ)霊界は 三年目にて 髪が結え

 (そ)そばを食い 時をたずねて 損をして

 (つ)付き馬を つれて浅草 早桶屋

 (ね)猫の皿 買えねば所詮 猫いらず

 (な)長屋中 花見の上野で バカを見る

 (ら)らくだめが ぼきぼき踊る かんかんのう

 (む)無筆者 手紙もビラも 読めるふり

 (う)鰻屋の主人 どこまで行ったやら

 (ゐ)いかけ屋を 悪童どもが 取り囲み

 (の)野ざらしの 髑髏寂しき 葦河原

 (お)親子酒 酔うた子の顔 七つ八つ

 (く)癖のある男 二人か四人(よったり)か

 (や)宿屋にて 富を買うなり 無一文

 (ま)饅頭は怖し お茶はなお怖し

 (け)稽古屋で 踊るは娘道成寺

 (ふ)風呂敷を 持って男の 救出へ

 (こ)黄金餅 もとは坊主の 腹の金

 (え)江戸っ子が 三人揃って 一両損

 (て)天災だ 途端に小僧が 水を撒き

 (あ)青菜好きと 青菜嫌いが 酒を飲み

 (さ)皿屋敷 時代を超えた 新名所

 (き)金明竹 使いは三度 長口上

 (ゆ)夢に出るは 天狗に酒に いい女

 (め)目黒にて 香る秋刀魚の かぐわしさ

 (み)宮戸川 お花半七 はなの恋

 (し)芝の浜 夢でなかった 祝い酒

 (ゑ)絵の雀 抜け出でて知る 絵師の腕

 (ひ)百年目 旦那に知れた 茶屋遊び

 (も)餅を食い 蛇含草食い 餅になり

 (せ)千両のみかん 三房で三百両

 (す)祟徳院 袱紗の取持つ 縁かいな

 (京)京茶漬 奈良は早起き 江戸は火事

 

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本年も旧年中同様、どうか拙ブログを御贔屓のほど~。

ビートたけしANNの口調でお読み下さい

(2009.8.3記)

今日さ、あの、たけしと所ジョージがやってる雑誌あんじゃん、
ほら、『FAMOSO(ファモーソ)』ってやつ、ヘンな雑誌さ。
それの第2号が出るって広告がさ、スポーツ新聞の芸能欄に出てんだよ、
なんかおネエちゃんの水着の写真の下にコッソリ出てやがってよ。
表紙がよしゃいいのに、マヌケな顔して2人並んで写ってんだ、また。
だからさ、誰か若いヤツに買いに行かそうかと思ったけど
誰もいねーからさ、しゃあねぇから朝っぱらから、
ヨロヨロ自分で買いに行ったんだよ。


そしたら朝のコンビニってアレなんだな、めっちゃくちゃ混んでんのな。
イヤんなっちゃってさ、さっさと帰ろうと思って、雑誌の棚んとこ行ってさ。
すっと、なんか知らねぇけど、朝から立ち読みしてるヤツがいんだ。
アサヒ芸能やなんか、難しい顔して「ウーッ」て読んでやんの。何だありゃ。
後ろから近づいて、思いっきり頭ァなでてやろーかと思ったよバカヤロー。


でさ、遠くの方からさがしてたらさ、棚の隅っこの方に
何冊かタバになってさ、申し訳なさそうにあるのが見えたんだよ。
そう、肩身狭そうにさ。小っちゃくなっちゃって。小っちゃくて文庫本かと思ったぜ。
だからあせって1冊取って、レジに持ってってさ、
そいでよしゃぁいいのに「領収証お願いします」とか言って、
並んでる他の客にオニのような顔で睨まれちゃってよ。これもマヌケだろ。


そいで家帰ってよく見たら、表紙にデカデカと「復刻版」だって!
第2号じゃなくて第1号なんだよ! バ・カ・ヤ・ロ! ぐっすん。


第1号がアレだろ、完売したからだろ、また刷りやがったんだなー。
でも何も第2号と同じ日に出さなくったってよさそうなモンじゃねーかなぁ!
出版社もここぞとばかりに、欲と二人連れでよ、金儲けしやがってよ!
バカヤロー、まんまと作戦に乗っちゃったじゃねーかチキショー!
覚えてやがれ! また殴り込みに行くぞ! 知事連れて!
……って、オレの雑誌じゃねーか!
自分で自分殴ってどーすんだ! 波多野栄一か!


あんまりシャクにさわったから、明日また第2号さがしに行くかんな!
そいじゃまた明日! バイビー!

★『野球ん廻し』

(2008.12.20記)

 『まんがパロ野球ニュース』(竹書房)という野球4コマ雑誌の連載でやってた落語パロディ。その中で『ん廻し』を野球用語でやるネタ(1992年10月号)があったので、ちょいとご紹介しときます。

 

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※ナレーター(米朝師風)
 「ナゴヤ球場の名物に矢場とんのみそ串カツちゅうのがおましてな。
 これを若いモンがぎょうさん寄って食べよかてな算段しとおります」

 

A 「どや、『ん廻し』ちゅう趣向をやろか。
 みそカツは『みそをつける』てなことでゲン悪いさかい、ゲン直しにな…
 『運(ン)』をひとつゆうたら1本やる、てなことやがどや?」

 

B 「ほならまず、『アダーソ』で2本もらいまひょ」

 

C 「えー、『4マーチ4三振』と5本もらおか」

 

A 「マーチンとはえらい懐かしいな」

 

D 「『軍団阪神』と7本もらいまひょ」

 

E 「こっちは『セちゃ3万円』で8本や」

 

F 「『新人初登、巨打無得』と11本もらお!」

 

A 「だんだん手がこんできよった……お次は?」

 

G 「よぉ聞いててや!
 『回ワダウナー塁、ベテラウーやカウから
 球めのシカーを会のエドラ間転々、ワツーバ
 打点3点得意満面』と、27本もらおか! ヒッヒッヒッ……
 うぷっ、このカツまだ揚がってへんがな!」

 

A 「そらそうや。エンドランなら、あげん方がよかろ」

 

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Bの「アンダーソン」てのは、平成のアタマ頃中日にちょっとだけいた外国人投手。
Cの「4番マーチン」は応援歌『燃えよドラゴンズ』の歌詞でもおなじみ。
Gの「ウーやん」は、当時の中日の人気選手・宇野勝の愛称。
えーと、あとは説明略。

 

サゲは、進塁打(エンドラン)の「打ち上げない」というセオリーの「上げる」と、みそ串カツの「揚げる」をかけた地口です。こーゆー専門用語が使えるのも野球ファン向けの雑誌ならでは。

 

20年以上前の掲載、しかも雑誌自体無くなって15年たつので、編集部の許可は取ってません。もし問題がありましたら、関係者の方、お手数ですがご連絡ください。削除します。

 あと、もしやりたい方がおられましたら、今風に作り直してご自由にどーぞ。その際はご一報いただけると嬉しゅうございます。

★『名古屋まんぷく寄席』

(2008.1.24記)

2007年、名古屋市などの主催で、「名古屋の地域が舞台のショートストーリー」を募集する『ショートストーリーなごや』という企画がありまして、真面目な文章が受賞する中、パスティーシュもどきのギャグ文を送っちゃってハシにもボーにもかかりませんでした。

で、せっかく書きましたんで、ちょっと推敲してコチラで公開いたします。ちなみに原題は『名古屋大須・ぐるめ寄席』。そこそこ長いです。

 

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『名古屋まんぷく寄席』

 

 パチパチパチパチパチ……

 

「皆様こんにちは。
 名古屋は大須の芸どころ、大須演芸場からお送りする
『名古屋まんぷく寄席』の時間でございます。

 歴史ある名古屋の街に数多存在する名産食品、絶品グ
ルメの面々が、舞台をお皿の上から寄席高座の上に代え
て、普段お口で楽しむお客様方に目と耳で楽しんで頂こ
う、というこのプログラム。客席には、すでにたくさん
の名古屋グルメ愛好家の方々がおみえです。

 

 解説は名古屋グルメ演芸評論家の金鯱城太郎さん。進
行は私、百米道郎でお送りいたします。
 金鯱さん、どうぞよろしくお願いします」

 

「よろしくお願いします」

 

「早速ですが金鯱さん、この放送が始まる前まで、すで
にいくつかの名古屋名物による高座がございましたが、
簡単に振り返ってもらえますでしょうか」

 

「そうですね、どの名古屋名物の皆さんも、それぞれの
持ち味を余す所無く見せた、結構な高座でしたね。

 まず開口一番、早朝亭珈琲さんの前座噺。名古屋の一
日の始まりはやっぱり喫茶店のモーニングサービスでし
ょう。前座らしくて、元気一杯でよかったです」

 

「コーヒーらしく、元気一杯で」

 

「続いてお賑やかに登場した、名古屋コーチン三羽鶏の
トリオ漫才。向かって右で手羽先のジュージュー揚がる
音、左でひきずり鍋のチリチリ焼ける音、真ん中で雄鶏
が『コケコッコーッ!』…と」

 

「まぁお賑やかでした」

 

「その次が若手有望株、あんかけ亭スパ男さんの新作落
語。まだ諸先輩と比較すると、それほど知名度はありま
せんが、すでに固定ファンはいますし、諸先輩に負けな
い味を見せて精進してほしいところです」

 

「細く長く頑張ってほしいですね」

 

「次が甘い高座が話題の、小倉トースト姐さんによる三
味線漫談。和洋両方の風味を備えつつ、フンワリと、な
おかつパリッとした歯応えの高座が彼女の人気の秘訣と
いえますね。
 ちょっと見は若そうですが、じつはここだけの話、結
構ベテランなんですよ。いやー怖いなー、わはは」

 

「次進んで下さい」

 

「はい、えーと、次はですね、今や全国に名だたる人気
者、天むす兄弟のマジックショーでした」

 

「天むす兄弟といえば、コンビニでも見かける超売れっ
子に育ちましたね」

 

「その通り。まさに平成以降、彗星のごとくメジャーに
なった名古屋の新星といえますね。

 

 このあと、本来登場予定でした本興行の特別ゲスト、
エビフリャーの物真似ショーでしたが、スポンサーから
のクレームで急遽休演。
 その穴を埋めたのが、東海の重鎮・守口斎漬杉先生の
講談でしたね。
 戦国時代の世に若き日の徳川家康が、好物の焼き味噌
の湯漬けで腹ごしらえをして出陣に赴くという粗筋の軍
記物で、場内をひときわ唸らせました」

 

「見事な講談でしたねぇ。さすが漬杉先生、重みが違う
と申しましょうか。

 

 さて金鯱さん、現在仲入りの休憩時間を利用してお話
しを伺っているわけですが、このあと登場する二組、ベ
テラン漫才の櫃まぶし浅葱・山葵の御両人と、トリを務
める落語の味噌家八丁師匠はいかがでしょう」

 

「そうですね、櫃まぶしの御両人は長年築き上げた味わ
いで相性もぴったり、何度聴いても飽きません。必ず2
回3回と聴き返したくなる、あのうまさは健在です」

 

「あのお互いを混ぜっ返すやりとりは最高ですよね」

 

「混ぜっ返しと、そこに“ノリ”が加わった時などは、
もう日本最強だと思いますね。
 少々全国区になるのが遅れた嫌いはありますものの、
遅咲き名人コンビ、これからが一層盛りの味わい、こう
申せますでしょう。

 

 トリの味噌家八丁師匠ですが、こちらは申すまでもな
く、おなじみ名古屋の大看板です。

 少々細かい説明になりますけど、名古屋のグルメ落語
界にある二大勢力、味噌家一門とたまり家一門の一方の
総帥でもありまして、この八丁一門からは、饂飩・土手
郎・田楽・カツ太郎といった大御所の面々が輩出されて
いるのは、ファンでしたら御承知の通りですね。

 

 名古屋のグルメ世界に多大な影響力を示す師匠ではあ
りますが、若い世代に対する研究もおこたりが無くて、
地元のおしゃれなレストランですとか、あるいは子供の
食べるスナック菓子などにも顔を見せるフットワークの
軽さ、なんてのも持ち合わせている強みがあるんです」

 

「なるほど、そこが東海地方で長く人気を保ち続けてい
る理由なのかもしれませんね。金鯱さん、ありがとうご
ざいました。

 さて、お話をしている間に、仲入り休憩の時間が終了
しまして、間もなく後半の開幕でございます。

 それでは、櫃まぶし浅葱・山葵御両人の漫才『僕はお
茶漬け』と、味噌家八丁師匠の落語『馬の田楽』、2席
続けてお送りいたしましょう。


 どうぞ皆様、最後の最後まで、おなか一杯お楽しみい
ただきますように!」

 

 パチパチパチパチパチ……

 

 ~ ~ ~

 

 ※本ストーリーはすべてフィクションです。アタリマエ。

 

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