オールドスタイル

4日、中日劇場の「吉本爆笑公演」(午前11時の部)に行ってきた。
カーテンコールで池乃めだか座長が「名古屋に21年通っている」と言っておられたから、1992年頃から続いているのかな。ちゃんと調べてませんが。

浅草花月には何度か足を運んだものの、ナマ新喜劇は東京にいた10年ほど前、新宿ルミネで見た一度だけ。
安いチケット代ではないので行くかどーか迷ってたのだけど、今回、新喜劇が名古屋公演のオリジナルと知ったのと、「作・演出 中村進」のクレジットを見つけたのとで、即日チケ購入。


ちゃらんぽらん冨好 進行と漫談
トラッシュスター(名古屋吉本) 漫才
ダイアン 漫才
ギャロップ 漫才
もりやすバンバンビガロ 大道芸
笑い飯 漫才
中川家 漫才
大木こだま・ひびき 漫才
 ~仲入り~
吉本新喜劇 『男の消費税100%』(作・演出 中村進)
<キャスト>池乃めだか/内場勝則/坂田利夫/若井みどり/高橋靖子/Mr.オクレ/浜根隆/杉本美樹/帯谷孝史/やなぎ浩二/やまだひろあき/吉岡友見/たかおみゆき/森田展義/清水啓之/奥重敦史/中田はじめ/タックルながい/森田まりこ/村上斉範/服部ひで子/しゃーやん/志茂山高也


前半の演芸は、中川家とこだま・ひびき御両人以外はナマお初。
客席を巻き込んだもりやすさんの一輪車曲芸で客席がほぐれ、続く3組はかなりウケてた。中川家礼二さんが、名古屋の地元ネタを連発してガッツリ掴んでいたのはさすが。こだま・ひびき御両人の面白さは、東京のあした順子・ひろし先生の漫才に通じるかも。たぶん十年一日なんだけど、何度でも聴きたいステージ。


休憩30分の後、お目当ての吉本新喜劇。
最近の表記は平仮名の「よしもと」なのだけど、ここでは昔ながらの漢字の「吉本」。


<あらすじ>娘思いの落語家・池乃家めだか(池乃めだか)は、娘・靖子(高橋靖子)と、弟子の売れっ子落語家・池乃家ぼうふら(森田展義)との恋愛を反対する。一方で、ぼうふらは東京の悪徳芸能事務所に所属させられそうに……あ、まだ公演中だった。今日はこのへんにしとこか。


私が子供の頃に見倒してきた当時の新喜劇は、昭和から平成に移る頃の改革を機に、演出とメンバーがガラッと様変わりしたため、近年見られなくなっていた。
今、土曜正午にCBCでやっている新喜劇もこれはこれで面白いのだけど、私の幼児体験のソレとイコールではないのよ。
それが、この日観た舞台はまさに昔ながらのトラディショナルスタイルで、「そう、これこれ!」とすっかり溜飲が下がる思いで集中して観覧しておりましたよ。


この舞台、90分(3景)の長尺だったこともあって、やりとりも山場も端折らずたっぷり。
吉本というとドタバタの笑いばかりみたいに思われがちだけど、私が昔観ていた舞台は、ホロリの演出も見せ場の一つとしてあったんですってば。
それが御座なりでなくちゃんとストーリーの中軸になってたのが、嬉しくて嬉しくて。いいラストシーンでした。


もちろん、各役者陣の個性を生かしたおなじみのギャグも満載。
中でも、悪徳芸能事務所の社長役で、オクレさんが珍しくたくさんセリフを喋ってて、途中「こんなセリフの多い芝居、イヤや…」とへたりこむシーンは大爆笑でした。
ついでに休憩時間、似顔絵入りタオルと「どやさ」の扇子を記念購入。


今年は帰郷初年ということで、お試し観覧の気味もあったけど、あのオールドスタイルの新喜劇が見られるなら、また来年も来たいなー。