元清洲町民の『清須会議』評

そろそろ映画『清須会議』(三谷幸喜監督)の感想を。

この1ヵ月で、『清須会議』は計4回観た。
11月15日・18日、12月2日・13日。場所はいずれもユナイテッド・シネマ稲沢。
去年は本も買ったし、先日は自分としては珍しく映画のサントラまで買った。
出身地である清須が舞台の映画とあって、かなり肩入れしてる向きもある。
自分が郷里(稲沢市は清須市の隣り)に戻った年ってこともあるが、それはさておき。


念のため書いておきますと、私が住んでいた時代の清須は「愛知県西春日井郡清洲町」。今は「愛知県清須市」。で、お城の名前は「清洲城」。お間違いなく。

以下、ネタバレありますご注意。


 ~ ~ ~


三谷監督作品は、映画館とTVで一応全部観たけど、『清須会議』は今までの三谷映画の中では、最も笑わせ所の少ない映画。
でも、見せ所の多さは『THE有頂天ホテル』と比肩するぐらいいっぱいあった。

あと、138分ある映画なのにまったく胃にもたれない。不思議と長く感じない。


あれだけ大勢いるメインキャスト全員の性格や人間性がはっきり表現されていると、多少込み入ったストーリーもどんどん消化吸収してゆけるカンジ。それは映画を観返すに従って加速していった気さえする。

考えてみたら、三谷監督が映画の中でその表現作業をやるずっと以前から、星の数ほどの時代劇や歴史小説がそれをやり続けてきているわけで、その影響で私みたいに歴史知識の浅い人間でも、織田信長の性格はなんとなく知ってますもんね。
そのせいかね。だとすりゃそれも時代劇の楽しみ方のひとつか。


で、前述の「見せ所の多さ」というのは、言い換えると「それぞれの登場人物のハイライトシーン」の数なのかもしれない。

寧(中谷美紀)が宴席でくつわ踊りを踊りまくるシーン。大好きでした。
秀吉(大泉洋)が三法師(津島美羽)を担いで現れるシーン。お見事でした。
利家(浅野忠信)が秀吉に斬りかかるシーン。シブかった。
織田信雄(妻夫木聡)の旗取り合戦で見せた満面の笑顔。素敵にアホでした。
あのアホが何年かに渡って清洲城の城主だったんだなーと思うと、正直複雑な心境ですが。
唯一、自分の考えてたのと全然イメージが違ってたキャラが織田三十郎信包(伊勢谷友介)で、小説版を読んだ時は、もっと仙人っぽいキャラになるのかと思っていた。
そしたら実に妖艶で不思議な人物設定。確かに、戦国の世で仙人キャラってあり得ないかもね。


反面、景色が主役になるシーンがあんまり無かったのは、時代劇ロケがしづらい現状のせいかなー、と考えたり。
映画の印象だと、清須って山里みたいなんですが、実際はもー少し里寄りです。
まぁ500年前のことなのでひょっとしたら地形が……いや、それは無いよな、さすがに。
小説版では、秀吉一行が清須に凱旋する時は五条川を船で上ってくる設定だったし、評定の事前会議をする場所も川のほとり、旗取り合戦ではなく山原のイノシシ狩りだったし。(イノシシ狩りのシーンはちょっと楽しみにしてたので残念)
あえて小説とは別イメージで、と三谷監督はプログラムで言明してたものの、いずれもロケの困難さによる変更が理由じゃないのかなぁ。


とは言いつつ、これだけ登場人物全員のキャラが立っていれば、あえて景色が目立つ必要も無さそう。
清洲城の天守から見える町の景色は、ちゃんとキレイでインパクトありましたしね。合成とはいえ。


柴田勝家(役所広司)の“過去の人”感や、丹羽長秀(小日向文世)の無言の苦悩、池田恒興(佐藤浩市)の優柔不断だけど偉ぶるカンジとか、お市の方(鈴木京香)の情念、堀秀政(松山ケンイチ)と前田玄以(でんでん)の名バイプレーヤーっぷり……等々、順番に思い出してったら、いしいひさいち御大の4コママンガで読みたくなってきちゃった。
よし、今度ためしに、及ばずながら自分で4コマ描いてみっか。
あまパロならぬキヨパロ。タイトルは『しんきよすきゃーぎ』に決めた。


(余談)
秀吉の側近にいた、高勢実乗風のメイクをした家臣がすんごい気になった。誰だろう。
『しんきよすきゃーぎ』の方はやっぱりというか、アイディアだけで企画倒れ状態。(2014年5月2日現在)

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