柳桜師のこと

19日の春風亭柳桜師匠の訃報を、今日の夕方になって知った。
http://www.geikyo.com/new/new_detail.php?id=318


弟弟子の春風亭柳太郎師とお付き合いがあった関係で、柳太郎師関連の会とか、柳太郎師の出演する寄席でお見かけする機会が多かった。
なんでも今の柳太郎師の前に柳太郎を名乗っていたのが柳桜師なのだとか。それもあって、現・柳太郎師の真打昇進披露口上では司会役を務めておられた。


いつもは前座さんが椅子と膝隠しのような小台を設えたあとにゆっくり登場して、『桃太郎』『浮世床』『小言念仏』のような寄席向けの軽い噺が多かった、そんな記憶。
披露口上の司会役の時は、板付きだったので椅子ではなく正座姿勢だったっけ。正座する柳桜師の姿を私がお見かけしたのは、後にも先にもこの時だけ。


後年、ネット記事の仕事で「バージャー病」という耳慣れないい病気のことを書くことになって、途方に暮れつつ調べていたら、ある記事に「ビュルガー病ともいう」との記述を見つけた。ああ、あの柳桜師の…と、そこから執筆が進んだなんてこともあった。
ご病気については著書『不死身の落語家』(うなぎ書房)があるのでそちらをお読みいただきたい。
このたびの死因は糖尿病からの多臓器不全。享年61。


先の三遊亭右紋師といい、寄席の中盤を支えていた噺家さんの訃報は寂しさがひとしお。
柳桜師匠、長年の闘病生活お疲れさまでした。合掌。