いろいろと『海月姫』

先月1月16日、ユナイテッドシネマ稲沢で『海月姫』(川村泰祐監督)を観ました。

ネタバレを書きたかったので、だいぶ日を開けての感想。

 

とりあえず能年玲奈ちゃんを久々いっぱい見れてよかったのと、上映している2時間以上の間時計が気にならなかった(それぐらい展開に引っぱられた)のがよかった。挿入歌を担当したSEKAI NO OWARIも映画とピッタリで。

 

個人的な感想としましては、登場人物がオタクであることを全面に標榜してたので、オタクが独自の個性を発揮して大暴れするスラップスティック的展開+ちょっとラブリー、そんな内容を期待してたのですが、実際に大暴れしていたのは女装男子の蔵子(菅田将暉)。いわば天水館の部外者。月海(能年)ほか住人のオタク女子たちは自主的に動くことなく、ただただ巻き込まれていただけでした。

ちょっと立ち入った質問をされると石になっちゃうぐらい精神的距離のあった相手の割には、気がついたら一緒にごはん食べたりしてて。別に気持ちが変わっていくのは構わんのですが、あいだが無さすぎ。その変わる過程をせめて2~3カットでも見せてくんないと、途中から喉に異物が引っかかった気分のままストーリーが進んでました。もすこし笑いたかった。

 

オタク女子たちそれぞれの趣味の違いと身なりの差は見ていればわかるのですが、肝心の性格の差があんまり感じられなかったのも、見ていて欲求不満になった点。基本十把ひとからげの扱いでしたよね。まやや(太田莉菜)以外は大した見せ場も無く、そこもまた残念でした。

オタクってのは性格を表す単語じゃありませんから、当然オタク個々にも性格差はあります。オタク第一期世代の私などはそう思うのでした。

 

以前から少女漫画の映像化は、リアリティについて考えさせられることが多いのですが、この映画もご多分に漏れずで、いろいろと「もうひと息」でした。

せめて、ストーリーの主導権を取っていた蔵子が、もう少し私好みだったら見方も変わったかなぁー。月海が思うほど美しくは…ねぇ。声の印象かなぁ。はるな愛みたいでしたもん。

ついでにもう一つ、謎のBL作家・目白樹音先生の設定は映画に要らなかったのでは? 途中からラストまで(エンディングは別)完全に消えちゃったでしょ。

 

いろいろ不満ばっかし並べましたが、観終えた後味がそんなに悪くなかったのは、冒頭で挙げた点があったからかも。損をした気分は正直無いです。