『みなさん』終了と『めちゃイケ』のこと

この春、フジテレビのゴールデンタイムを長く支えてきた2番組、『みなさんのおかげでした』と『めちゃ×2イケてるッ!』が終了する。何も同時期に終わらなくても……と率直に思うが、バラエティ史に名を刻むほど功績を残した2番組がほぼ同時に終わることは、それだけ局的に危急の状況だった…ということも容易に想像できる。

 

とんねるずの2人は石橋1961年、木梨1962年(早生まれ)で、ナインティナインはその一世代下(岡村1970年、矢部1971年)。私は世代的にとんねるずとほぼ同じで、見てきたものも一緒なので、とんねるず寄り。

『みなさん』の最終回のラストコメント、
「30年間支えてくれたすべての仲間と テレビの前で同じ時代を過ごしてくれた あなたに愛と感謝を込めて… みなさんのおかげでした」

が最も身に沁みたのは、まさしく『みなさん』を特番時代から追っかけていたとんねるず世代に向けた言葉なのだろう。そのうちの一人として感動ひとしお。我田引水ですかね。

 

『みなさんのおかげです』時代は主にパロディ中心。既成の概念を壊す芸風が売りだったとんねるずは、のびのびとドラマ・映画・アニメ等あらゆる映像ネタのパロディをしまくって壊し続けた。

1994年から『ラスタとんねるず'94』に模様替え。『Spitting Image』というイギリスの風刺人形劇のパロディや、社会風刺替え歌などを始めて、一歩大人のギャグマンに進化するかと思われたが、半年で終了してしまった。(Wikipediaによれば別の事情があったらしいが)

その『ラスタ』が好きすぎて、その後の『本汁でしょう』時代や野猿の出ていた『ほんとのうたばん』時代は見ていなかったが、『食わず嫌い王』がメインになっていた頃から再度見始めて、最終回までほぼお全部付き合いした。

 

最終回は自分が見ていなかった『ほんとのうたばん』形式の構成だったけど、最初期のPVパロディがちょこっとだけ見られたのが嬉しかった。
今思うと、肖像権や著作権がマスコミ的に厳格になりつつあった時期から、番組内容が「脱パロディ」にシフトしていたのだなぁ。音楽番組風になっていたのは、プロデューサー石田氏が音楽業界に顔が効く人だったから、音楽業界のパロディをする方向にシフトチェンジしていたのだなぁ。
その後は合間合間にパロディ要素のある企画を挟みつつ、基本オリジナル路線で進んだのだけど、気がつくとゴールデンタイム全体の風景が変わっていた……そんなところだったのかもしれない。とんねるずの「壊す」イメージの受け入れられ方も、視聴者の世代が変わったことで違う捉えられ方になってしまったように思う。ただのパワハラ的な意味に。もっともこれは、とんねるずがそこそこいいトシになってしまったせいもある。20代と50代では、同じことをしても周囲の捉え方が違う。

そんな50代の2人だからこそ、最終回のラストには『一番偉い人へ』を歌ってほしかった。きっとピッタリはまって、めちゃくちゃカッコよかったと思う。残念ながらその願望はかなわなかったが、第二希望の『情けねぇ』だったのでこれもまたアリ。「この国」の歌詞だけ「バラエティ」「フジテレビ」に変わってましたけどね。

 

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『めちゃイケ』はじつは前身番組『とぶくすり』以降、ゴールデンになってからもしばらく見ていなくて、最初に見たのが極楽とんぼ山本が出なくなった回から。その後、矢部の前の恋人との別離とか、岡村の休養~復帰とか、ドキュメントで番組を作る手法がすげーなーと感心しているうちに、ちょいちょい「終了?」の噂を聞くようになりだした。

 

やっぱり、同じ「笑い好き」でもこちらはツボも違っていて、ドキュメント的演出の他で食いつけるコーナーがそんなには無かったけど、旬のタレントさんや、これから旬になっていくであろう芸人さんの情報をゴールデンタイムにいっぱい吸収できたのがよかったかも。

あとそうだ、エンディングの「まるはま」さんの名前が見られなくなるのは寂しいなぁ。浜本ひろし先生、お元気ですか?

 

述懐の行数で番組への思い入れの差がはっきり出てしまったけど、どちらも長年お疲れさまでございました。至る所に青山あり、の思いで「次」も期待しております。
時間の都合で推敲ナシ。乱文失礼しました。