「ブラックアングル」と「似顔絵塾」

山藤章二先生の二つの連載「ブラックアングル」と「似顔絵塾」が今週最終回ということで、久しぶりに週刊朝日を買ってきた。

週刊朝日は高校の頃、当時月刊OUTで知った夏目房之介先生の連載を楽しみに毎週読むようになって、同時に「ブラックアングル」にもハマった。

大学1年の年に「似顔絵塾」がスタートしてからは毎週購読するようになり、投稿も始めて、一度だけ採用されて賞金をもらえた。そのことと最初の単行本(1982年刊)が出た時に記念のバッジをもらったことは覚えてたのだけど、その採用された号のスクラップを保管してたことは忘れていて、発見した時はビックリした。

自分のへたな絵の横に、山藤章二先生のサインが入ってる。「あーこのサインにご恩を感じて、ずっと投稿も購読も続けてたんだよなー」と、思い出した。

当時の自分には賞金よりもこっちが大きかったっけなぁ。

ちなみに単行本(えんじの表紙の方)には不採用分も含めて作品4点載った。本名が3点と、別ペンネームが1点。記念のバッジが2つあるのはそのためで、帯イラストの中にそのうちの1点が混ざっている。

 

近年は、数年に一度くらいのペースで「似顔絵塾」を確認するため立ち読みしてたけど、「ブラックアングル」は見るたびにずっと休載だったし、「似顔絵塾」の講評も投稿者に関係ない随筆欄のようになっていて、「あー、投稿しても以前のようにお言葉はもらえないんだなぁ…」と思ってそっと書棚に戻す日々であった。

投稿者の年齢もほとんど自分より年上なのが、象徴的なことだった。雑誌の読者層自体がそうなのだろうけど、雑誌投稿という行動が今や高齢者だけの遊びになってしまったのだろうと思う。

 

それにしても、どちらの連載も見事なほどあっさり締めくくってる。山藤先生ももうすぐ御年85歳、致し方無いことかもしれない。

ともあれ、長期に渡る二つの連載のゴールに立ち会えた。山藤先生お疲れさまでした。