NHKで『金太の大冒険』が流れた日

既に半月過ぎて旧聞の類に入ってしまったけど、去る1月21日、かつて放送禁止歌の代名詞のように謳われてきたつボイノリオさんの名曲『金太の大冒険』が、こともあろうにNHKラジオ第一で放送(ピーなどの音消し無し)され、話題となった。

 

番組は早朝放送されている「マイあさ!」。サエキけんぞうさんの音楽紹介コーナー内で、いろいろ解説を加えつつ、約1分半ほど曲がかかった。
(詳細は1月21日付デイリースポーツのネット記事を参照)

その前日には、つボイさんがレギュラーを務めるCBCラジオ「つボイノリオの聞けば聞くほど」にも「NHKで『金太』がかかるらしい」との情報が伝わった。オンエア直後の同日のTwitterでは『金太の大冒険』が半日近くトレンドワードにのぼり、週明け23日の「聞けば」内でも、パーソナリティー・リスナーひっくるめて大いに盛り上がったことは言うまでもない。

さらにその翌週30日の「聞けば」では、当のサエキさんが電話出演して経緯などを話し、これまたリスナーを喜ばせた。

(その模様はラジチューブ2月1日付記事を参照)

 

そもそも現在は、冒頭で書いた「放送禁止歌」というものは存在せず、直接の送り手(放送局サイド)に曲をかけるかかけないかの判断が委ねられる。その上で、かけるに相応しくないと判断された場合は自粛するので、いわば「放送自粛歌」という呼称の方が実情に合う。

かつては民放連による「要注意歌謡曲指定制度」(放送禁止曲の選定基準を定めた)という規定が1959年設けられたものの、時代を経て1983年更新停止、1988年限りで失効している。そりゃまそうでしょう。歌の歌詞にだけ劣情を催してる、そんな世界の狭い人なんざ今はいません。その外の世界にゃ何があんのよ、っていう。

 

考えてみれば、NHKの番組では以前「アナザーストーリーズ」でも、名古屋局ローカル制作の「アノコロTV」でも『金太』は冒頭部分だけとはいえ流れてた。もとより「聞けば」では毎日のように流れてる。なので今回の一件も、正直さほど驚かなかった。免疫だろうか。それとも「時代はとっくに変わってるし」と肌身をもって感じてるためだろうか。

中学の頃、学校の給食時間に『金太の大冒険』や『怪傑黒頭巾』が流れて、クラスの連中が「おーい、えーかこれー?」とキャッキャ言って大騒ぎしていたあの頃を思い出すと、まさしく隔世の感がある。

 

おしまいに、私の『金太の大冒険』コレクションをおまけで公開。カバー曲含め、全部『金太』が収録されてます。

他にもコミックソングのコンピレーションアルバムは山ほど持ってたのだけど、残念ながらあらかた処分してしまいました。

こんなのもあります。つボイさんが「聞けば」の中で時々話す、「知らん歌手が歌ってる『金太の大冒険』」が収録されたアルバム。つボイさんのナンバーでは他に『極付お万の方』『吉田松陰物語』『怪傑黒頭巾』収録。あと『悲惨な戦い』とか入ってます。歌唱者のクレジットは無し。Dellaという会社が1995年6月30日発売。おそらく無断販売。