お初が『百年目』

3月1日は半年ぶりのナマ落語。
大須演芸場第一部、鈴々舎八ゑ馬改め柳亭風柳師の真打昇進披露興行へ。

(開口一番・途中)登龍亭幸吉『道灌』

 登龍亭獅鉃 『たらちね』

 柳家あお馬 『松竹梅』

 柳家三語楼 『真田小僧』

 おばけ(名古屋吉本) 漫才

 柳家小せん 『紋三郎稲荷』

  ~仲入~

 披露口上(花緑・小せん・風柳・司会三語楼)

 柳家花緑 『二階ぞめき』

 立花家橘之助 浮世節

 柳家風柳 『百年目』

 

風柳師は、なかなか聴く機会が作れぬうちに自分が東京を離れてしまったため、この日が初めての観覧だった。

出番の前、高座に見台と膝隠しが出た。上方落語をすることはその前の披露口上でも紹介されていて、「さてどんな上方ネタだろう?」と期待していたら、まさかの『百年目』。

『百年目』は一時期、毎年誰かの高座を聴かないと春になった気がしないと思うくらい、毎年聴いていた好きな噺。

風柳師は冒頭の番頭の小言など序盤を若干ショートカットしつつ、ラストの旦那の説教シーンに比重を置く構成。この説教シーン、「南縁草の名の由来」「昨日はお楽しみやったな」「孫の太鼓」「番頭の丁稚時代」「帳面を調べた」等々の要素があって、最後に「なんで昨日はあんな妙な挨拶をした?」に流れつく。この順番が意外と大事で、人によっては順番を替えて妙な流れになるのだけど、風柳師は完璧。丁稚時代のエピソードも効果的に使われた。

いきなり大きな噺で初対面となってしまったけど、また大須ご出演の機会があれば、ぜひ聴いてみたい噺家さんです。東名阪が一堂に会する大須演芸場にぴったりの芸風かも。

 

 

風柳師以外では、あお馬さん、開口一番の幸吉さん、漫才のおばけもお初。

披露口上では、司会の三語楼師がわざと大仰に挨拶をしてみせて、上手で花緑師と小せん師がヒソヒソ話してるのがおかしかった。さすが口上エンタテインメント馬風一門。

 

口上で小せん師が「風柳師と同い年」と話してて、帰宅後調べたらホントなのでビックリ(どちらも1974年生まれ)。何はともあれ今後とも頑張ってね。手拭い買わずごめんなさい。